株式の名義変更
相続人が相続する財産のなかに株式がある場合には、不動産の名義変更と同じように、名義を変更する必要があります。
株式の名義変更は、被相続人名義の株式が上場している株式か非上場の株式かによって手続きが異なります。
上場株式の名義変更の手続き
上場している株式は、証券取引所を通じて取引されていますので、証券会社が介入しています。
ですから、証券会社と相続する株式を発行している株式会社の両方で手続をすることになります。
(1)証券会社との手続
証券会社は顧客ごとに取引口座というものを開設していますので、取引口座の名義変更手続きを行うことになります。
その際必要となる書類には、以下のようなものがあります。
・株式名義書換請求書
・取引口座引き継ぎの念書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の同意書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続するもの)
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書
これらの書類を証券会社に提出すれば、上場株式の名義変更は完了されます。
※戸籍謄本は法定相続情報一覧図で代用することができます。
(2)株式を発行している株式会社との手続
株式を発行した株式会社の株主名簿の名義変更手続きをすることになります。
通常、この手続きに関しては取引のある証券会社が代行して手配してくれます。
その際、相続人は「相続人全員の同意書」(名義書換を代行している信託銀行所定の用紙)を用意します。
非上場株式の名義変更手続き
非上場会社の株式の名義変更はそれぞれ会社によって行う手続きが異なりますので、発行した株式会社に直接問い合わせるのが確実です。
この記事の執筆者
株式会社キャストグローバル 町田支店
代表
荒木 光
専門分野相続/生前対策
経歴年間約600件/累計3,500件以上の相談を受けるキャストグローバルコンサルティング事業部にて、本部および町田支店でそれぞれチームを率い、遺言作成1,200件超、遺言執行者としても250件超の実績がある。相続対策や相続発生後の手続はもちろんのこと、様々な相談者のニーズに合わせたトータルアドバイスを行うことで、多くの顧客から絶大な信頼を得る、相続実務の数々の現場を知るコンサルタント。自身でも1000件以上の依頼実績を持ち、類似する過去の解決事例から最適な解決法を提案する。