財産管理委任契約
法定後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものであり、任意後見制度は、事前に契約があった場合でもやはり判断能力の減退があり、さらには家庭裁判所により任意後見監督人が選任されて初めて効力が生じます。
財産管理委任契約は、家庭裁判所の関与を必要とせずに、今すぐ財産管理を開始してもらいたい場合に有効な方法です。
財産管理委任契約の特徴は、
●当事者間の合意のみで効力が生じる
●内容を自由に定めることが出来る
ということでしょう。
財産管理委任契約のメリット
・判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる
・開始時期や内容を自由に決められる
・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能
財産管理委任契約のデメリット
・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい
・成年後見制度のような取消権はない
以上のことをしっかりとおさえたうえで、財産管理委任契約を導入するか検討しましょう。
この記事の執筆者
株式会社キャストグローバル 町田支店
代表
荒木 光
専門分野相続/生前対策
経歴年間約600件/累計3,500件以上の相談を受けるキャストグローバルコンサルティング事業部にて、本部および町田支店でそれぞれチームを率い、遺言作成1,200件超、遺言執行者としても250件超の実績がある。相続対策や相続発生後の手続はもちろんのこと、様々な相談者のニーズに合わせたトータルアドバイスを行うことで、多くの顧客から絶大な信頼を得る、相続実務の数々の現場を知るコンサルタント。自身でも1000件以上の依頼実績を持ち、類似する過去の解決事例から最適な解決法を提案する。